「言葉」は時代によって変化するもの、そして、その時代を反映するものと言われます。日進月歩の今日の状況にあっては、最新の技術や施策が次々と生まれ、それに伴って、新しい言葉も増えていきます。特にデジタル化の進むビジネスシーンはもとより、日常の業務あっても、数多くのマーケティング専門用語、カタカナ語、英語略語がふんだんに使われている現状を目にします。ただし、実は正確には分からない、説明できないという言葉も少なくないようです。
そこで、POP広告に関わる人たちから、流通業に携わる多くの人たちが必要とする用語を検索する時に、すぐに役立つ用語集となるよう、POP広告用語を主軸として、関連する基本的な経営用語から、最新のITビジネス用語まで取り上げて構成しました。ぜひ、有効にご活用ください。
POP&マーケティング用語集は、下記の5つのカテゴリに分類して意味を表記しています。それぞれのカテゴリーは「あいうえお順」「ABC順」に用語を列挙しています。用語の中の知りたい単語をクリックすると該当する行の見出しに飛ぶので、そこから知りたい用語までスクロールしてください。
例)知りたい用語「キャッチコピー」
POPカテゴリ-「POP&広告関連」の用語から「キャッチコピー」をクリック。
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●アイランド陳列(島陳列)●アクセント陳列 ●ウオールディスプレイ ●エンド陳列
●間接照明、直接照明 ●客動線 ●コーディネート陳列 ●ゴールデンライン ●ゴンドラ
●集視ポイント(マグネット)●ショーイング ●ショーウインドー ●照度 ●シンメトリー ●スポットライト、照明器具
●縦割り陳列 ●ディスプレイ(展示陳列) ●店舗レイアウト ●トライアングル(三角型構成)
●左回りの法則 ●ひな壇陳列 ●ファサード(外観) ●フェイシング ●補充陳列(ストック陳列)
アイランド陳列(島陳列)
店内通路の中央部分に島を設けて陳列する方法で、ボリュームの出せる平台陳列や 関連陳列など、注視度は高い。
アクセント陳列
補充陳列の小さなスペースを使って、商品をアピールする陳列方法。お客様の視線を惹きつける効果が高い陳列である。
アイランド陳列(島陳列)
店内通路の中央部分に島を設けて陳列する方法で、ボリュームの出せる平台陳列や 関連陳列など、注視度は高い。
ウオールディスプレイ(Wall Display)
壁面を利用して顧客に印象つけるディスプレイのことで、訳語どおり、壁面ディスプレイとの言い方もする。床から天井まで利用でき、幅広い立体的な陳列によってボリューム感の演出が可能で、遠距離からの視覚効果も高い。
エンド陳列
ゴンドラ(陳列棚)の端やハンガーラックの端などの部分(エンド)を利用して陳列する方法をいい、可視性が高く、売れる場所での陳列である。催事や重点商品などのコーディネート陳列や、新商品や特売などのコーナーとして利用する。
間接照明、直接照明
光を天井や壁、床などに当てて、その反射光で間接的に照らす照明方法をいう。照明器具からの光が上方向90パーセント、下方向への光が10パーセント以下の場合、間接照明と区分けされている。まぶしさがなく、暖かみのある柔らかい光となり、影もできにくいので、空間に奥行きや広がりを見せることができ、照度が低いため、生活光としては作業効率が悪くなるが、落ち着いた雰囲気作りに向いている。ファッション系の店舗内では、ダウンライトやスポットライト、ペンダントで照明の演出を図ることが出来る。直接照明の場合、日本では住宅でも店舗でも、天井から床に向かって直接光を当てる照明が多いが、欧米の一般的な住宅の照明は、間接照明が主流となっている。
客動線
買い物客が店内を見て回るのに歩く動線(導線とも)のことを言う。動線が長ければ長いほど、買い物客は店内をくまなく見て回り、多くの商品との接触機会が増えることによって、客単価のアップを通じた売上高の増大に結び付くとされている。人間行動科学の観点から、顧客は通常店内をどのような流れで動くのかという客動線を把握し、それを考慮した上で、店内設計をはじめ、商品の陳列やPOP広告類の表示方法など、売り場全体のレイアウトや演出を考えることが重要となる。動線を長くするためには、回遊性や快適性を高めるなど、来店客にとって買いやすさを工夫するほか、来店客の関心を引き付ける売場(マグネット)を設けることが重要である。
コーディネート陳列
複数の商品を組み合わせて調和させ、それぞれの商品の使い方や用途などを明記する陳列方法で、クロスマーチャンダイジングと同様である。ペットショップやブティック関係などではよく行われている。
ゴールデンライン(Golden line)
ゴンドラ(Gondola)
プロパー(定番)商品を主体に、多数の品目を陳列する陳列棚のことを言う。
集視ポイント(マグネット Magnet)
集視ポイント(集客ポイントともいいます)はお客様の目を引きつけ、足を止めさせ、衝動的な購買に結びつけるための売場内でのアイキャッチャーポイントのことである。マグネット(磁石)売場という。店舗の独自性を高めたコーナーを作ることで、より魅力的な店舗の売り場づくりが可能となる。
ショーイング(Showing)
見せることをいう。販売促進効果を高めることを目的とし、様々な提案情報を魅せる演出「VP(Visual Presentation ビジュアルプレゼンテーション)テクニック」のことであり、商品の視覚伝達の表現技術である。
ショーウインドー(Show Window)
店舗で道路や通路に面し、全面をガラスで区切るなどした特定の演出スペースを指す。店の存在を知ってもらうためのディスプレイや、商品を魅力的にディスプレイして見せるのに使用される。背面を開放型にしたシースルータイプと背面を持ったクローズドタイプがある。
ショーウインドーでの陳列は、企業の経営方針やコンセプトなどの伝達、季節感の表現、プロモーションの訴求、新商品やテーマ商品などが行われる。通行客の注意を惹き、興味を持たせたり、冷やかし客の店内誘導を図ることが出来る。
照度
光源により照明されている面の明るさ度合いを表し、JIS基準では、1平方メートルあたりの「照度」を測る単位として「lx(ルクス)」が用いられている。たとえば、オフィス空間の照度水準が750ルクス以上であるのに対し、スーパーやコンビニ等の平均照度は1000〜2000ルクスと言った度合。店内の照明計画では、一般的に、入り口、店奥、壁面、中央、陳列商品など、細かく照度の数値を設定されている。照度の測定には光電池照度計、または光電管照度計が使われる。これらの業種では、陳列されているパッケージ情報を消費者が正しく視認できるようにすると目的で、高照度かつ均一的な明かりが取り入れられている。
特に、生鮮食品を扱うスーパーでは「新鮮さ」のアピールのため、さらに24時間営業のコンビニなどは「夜道で目を引く」集客効果のために店内照明を極度に明るくしている例が多くみられる。これに対し、美容サロンや飲食店の場合は、「集客効果」だけでなく「サービス満足度」にも直結する照明演出が図られる。確かに良く計算された照明計画は販売成果を高めることが出来る。ただし、アメリカやヨーロッパでは商店の平均照度が200-500ルクス、オーストラリアでは150ルクスと全体的に「低め」に対して、日本の商業施設はやや「明るすぎ」と言われるが、今後の世界状況から見て見直される必要がある。なお、飲食店の場合、客席の照度が10ルクスを下回ると「低照度飲食店」として「風俗営業」に分類されてしまうので注意したい。
シンメトリー(Symmetry)
左右がまったく同じ形であることで、左右対称、左右均整などと訳される。シンは同じの意で、メトリー(-metry)は寸法・測定法の意味をもち、部分と部分、あるいは部分と全体との均衡がよくとれていることを言う。安定した調和のある形であるため、建築、絵画や装飾品などにも、シンメトリックな構図が用いられている例が多く、ディスプレイでも、一つの技法となっている。
スポットライト、照明器具
照明器具の一つ。光の方向を自由に変えることができ、集光性が高く、演出したい店内の一部やディスプレイなどを局所的に照らすことで、対象物を効果的に引き立たせることができる投光器。アクセント的な照明器具として利用され、その器具のデザイン自体が、店内の雰囲気作りの役目も果たしている。店内で使用される照明器具としては、天井などに埋め込まれるダウンライト、足元から照らすフットライト、吊り下げたり壁面で装飾効果を高めるペンダント、空間自体を演出するシャンデリアなど、さまざまな種類と用途がある。
縦割り陳列
同じ種類の商品を、陳列棚の上段から下段まで縦並びに陳列することで、バーチカル陳列とも呼ばれる。例えばカレールーを棚の上から下まで垂直に、即席カレーも上から下まで垂直に、同じカテゴリーの商品を縦に陳列する方法で、売り場を歩く顧客にも目的とするコーナーが見つけやすく、商品を選びやすい。そのカテゴリーの商品の中で、売れ筋商品または訴求したい品を、見やすく手に振れやすいゴールデンライン中心に縦に配置して陳列することになる。ケース内陳列でも例えば食肉店では、牛肉、豚肉、鶏肉、加工肉など縦位置で区分けして陳列する方法がとられる。
ディスプレイ(Display 展示陳列)
「商品展示」「商品の飾りつけ」のこと。単にモノを並べるということではなく、市場動向、消費者ニーズ、ライフスタイルなど、時代の情報を素早くキャッチし、感性と想像性で人の生活や心に豊かさをもたらす創造的快適生活空間を提供するものである。そして一つの目的意識を持った展示方法で(例えば、売場ディスプレイなら、その目的は、お客さまの視覚に訴え、買いやすい売り場を作り、売上げをアップさせることにあると言える。魅力的で買いやすい売り場は必ず集客アップ・購買意欲アップにつながる。)、特にお客様に訴求したい重点商品をクローズアップして飾り付ける、また空間造形や立体構成により商品(商品群)を心理的、印象的に訴える陳列のことである。マグネットとしてお客様を惹きつけたり商品情報を的確に伝えたりの役割を果たす。今日の考え方では、私たちの生活の中で商品のかかわり方をイメージして、生活シーンのディスプレイ、ライフスタイルのディスプレイと言うように、情報表現を主体としている。買回り品ほど展示スペースが広くなる。
店舗レイアウト
自店の営業政策や人間の行動心理を基盤にして、各種什器の配列や、商品の陳列方法などを計算して店内を構成する。顧客の店舗内での滞在時間をできるだけ長くし、より多くの陳列商品の前を通るように客動線を計画する。買い物を続ける顧客が回遊しやすいよう、主要通路や副通路の幅も考慮されねばならない。さらに、顧客の主目的となるような商品を店舗の奥に置くことで客足を誘導し、その間に目的以外の商品も購入するように、各所に目にとまる商品陳列の工夫が必要。また、商品をより魅力的に見せるための飾り付けや照明などもレイアウトの重要なポイントで、例えば店内奥の方の照明を明るくしたり、イラストなどのデザインやカラーの演出で、顧客の目線を奥へと誘導し、店舗の奥にある商品にも接近させることも、レイアウトの手法と言える。
トライアングル(三角型構成)
ディスプレイ構成の代表的な構成方法である。三角形の図を意識しながら陳列するテクニックのことで、最もバランスよく陳列することができるとされる。その中かにおいても立体感を感じさせる一例として、センターに背の高い商品、両サイドに背の低い商品を陳列して三角形に見えるように配置、または、同じ商品を三角形になるよう積み上げて配置することなどがある。
左回りの法則
マーケティングの世界では「人間左回りの法則」と呼ばれ、人が自然に動くときに通る経路は「左回りが良い」と言われている。「左回り」とは左手が内側にくるよう回る、反時計回りのこと。例えばコンビニでは、一般的には、入口から左側に雑誌・飲み物・弁当などのよく売れる商品を配置。そのように配置したほうが買物客の目にとまりやすく良く売れるため。ディズニーランドなどのレジャー施設も「人間左回りの法則」にしたがって構成されている。
その原因は、「心臓が左にあるから」などの説があるが、多くの人は右利きであるため、例えば売り場では、左手にかごを持ち、右手で商品を取るので左回りのほうが取りやすいと考えられる。実際に、客動線を右回りから左回りに変えただけで売り上げが10%伸びた例もある。ただ、「なにが何でも左回り」ということはなく、立地条件店舗の形状を考慮して、店舗の動線は決められている。
ひな壇陳列
雛人形の段飾りのように階段状に陳列することで、ステップ陳列ともいう。後方の商品がよく見え、段ごとに商品が手に取りやすいため、異なる商品を合わせた大量陳列なども可能である。
ファサード(Facade 外観)
建物の正面から見た外観のことで、フランス語のfaçadeが由来である。その建物の最も見せ場となる「顔」ともいえる部分で、店舗に対する印象を決定するほど集客にも関わるとても重要な要素でもある。『どんな商品を売る店なのか』『ターゲットが明確か』『目立っているか』『入りやすく出やすいか』などが重要視される。そのためにも『店内の見えやすさ』『入口の広さや幅』『道路やコンコースなどからセットバック(奥に引っ込んでいる)している程度』などが要素となり、店舗タイプの違いにより3要素の組み合わせは違ってくる。
フェイシング(Facing)
商品の包装の上面、顔に当たる部分をフェイスといい、面を揃えることから、商品陳列をいう。売場の棚において、ある商品をどれくらいの間口で並べるか、それを決めて陳列することなど。
補充陳列(ストック陳列)
消耗頻度、使用頻度、購買頻度が高い定番的な商品を効率的に補充し、継続的に販売するための陳列手法である。 見やすい、選びやすい、手に取りやすい等の顧客ニーズに対応した合理的な陳列にすることが重要である。
ラッピング(Wrapping)
目的は、品物をキズから守ってきれいに保ち、見た目を整えることにある。主役である品物を引き立て、最も美しい状態で品物を贈り届けて相手を敬い、贈り手の気持ちも伝えることがラッピングの役割である。贈る(贈答)とともにラッピングにもマナーが肝心とも言われているが、『包む』という行為の発祥が神様へのお供えから来ている所以にある。
量感陳列
平台やワゴン、ゴンドラ、ハンガーやフックなどを用いて商品をまとめて陳列することで 活気とボリューム感、安さを演出する陳列方法をいう。アイランド(島)陳列、ジャンブル陳列、エンド陳列などで演出される。
ワゴン陳列
キャスター付きの移動可能な什器(ワゴン)で展開する陳列のことで、ジャンブル陳列方法の一つである。ジャンブルとは投げ込みの意で、ショッピングカートやワゴンに気軽に手に取れるように投げ込んだ陳列をいう。顧客に対して気安さ、価格の安さを印象付けるのに用いられる。
VMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング Visual Merchandising)
視覚に訴える商品政策、商品演出のことで、「品揃え、売り方、見せ方」の視覚的統一と一貫性を重視した売り場づくりの戦略・戦術である。1944年アメリカのアルバート・プリスなる人物が初めて使用したとされるが、日本で脚光を浴びたのは1970年の後半と言われている。VMDの活動は、商品情報提案、新しい生活提案、個性や差異化、CS(顧客満足)、創造的快適生活空間の提供である。売り方政策にはMD(マーチャンダイジング 品揃えや商品化計画)、MP(マーチャン プレゼンテーション 商品情報)、SD(ショップデザインあるいはストアデザイン 売場環境)、VP(ビジュアルプレゼンテーション 様々な提案情報を魅せる演出)などが含まれている。それは、「見やすく、選びやすく、分かりやすく、買いやすく」が基本となる。
VP(ビジュアル プレゼンテーション Visual Presentation )
売り場から離れたお客様に気づいてもらう仕掛け。店外にいる顧客に対し、何を売っているどんなお店かをわかりやすく伝えて、入店したい気持ちにさせるディスプレイや演出のこと。主にウインドウや入口から目立つ場所などで行う。