令和3年(2021年)2月4日
一般社団法人日本POPサミット協会会長
安達 昌人
皆さん、こんにちは! その後、いかがお過ごしですか。規制に従って、用心を深めながら活動されていることと思います。
昨年2月3日に、横浜港に帰港したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で感染者が確認されてから、はや1年が経ちます。新型コロナウイルスはたちまち猛威を振るい、次々と容赦なく寄せる波がしだいに高まって、今も終息の見えない状況です。
しかし、四季は確実に移り変わり、春がすぐそこに接近しています。
2月の最初の行事の「節分」は、36年間2月3日であったものが、今年は2日。翌日の3日が「立春」で、二十四節気において春の始まりとされる日です。
2月は英語で「February」、日本での異称は「如月(きさらぎ)」です。
ところで「February」を「フェブラリー」と発音するする人がほとんどではないでしょうか。英和辞書では発音記号は「fébjuèri]となっていて、カタカナで表記すると「フェビュエリー」となります。実際に英米人は、そう発音しています。
つまり「r」の音が抜けていて、英語の発音にはそうした例が見られます。「February」は、ローマ神話のフェブルース(Februus)を祀る祭りから来たものとされます。
一方、「如月」は、岩波広辞苑によれば「生更ぎ」の意味で、草木の厚生することを言い、寒さが続くので着物を更に重ね着するを意とするのは誤り、とありますが、別の辞書では「衣更着(きぬさらぎ)」を語源としているとの説明もあります。
さて、節分の豆を撒いて鬼を払う行事は、「おにやらい」(追儺)という宮廷の行事が発祥とされますが、今も神社・仏閣では恒例イベントです。なぜ豆を撒くかといえば、「魔を滅する=マメ」に通じるから、五穀の中で投げつけられると一番痛いから、などの説があるようです。自宅近くの西新井大師では、昨年、横綱の白鳳が来て、豆や餅、ミカンを撒きましたが、20分ほど居て、掛け持ちで次の寺社に回って行きました。お相撲さんの副業ですね。
ただし、最近では、豆撒きよりも「恵方巻」のほうが人気を高めています。
「恵方巻」の起源は諸説ありますが、節分に「恵方」に向かって太巻き寿司を食べる風習は大阪にあったとされます。「恵方」とは「その年の歳徳神のいる方角」のこと(広辞苑)。
恵方巻の風習はセブンイレブンが作り、1998年頃から全国に普及させたというのが、今は定説となっているようです。太巻きは、逃げる鬼が残した金棒に見立てたとか、七福神の福を巻き込んで、7種の具材を使うなどと解釈はいろいろ。
いずれにせよ、煎り豆よりも、太巻き寿司のほうが販促効果もあり、販売成果を高めることは確かです。私もここ数年、百貨店・スーパーに出店している惣菜類の調理加工販売会社のポスターPOP(A4判)とプライスカード(A5判)を担当しています。エクセル(またはWord)で作成。恵方巻の具材は海鮮類を主とする中で、肉類、カツやフライの加工品を使った太巻寿司は珍しいこともあって、ほどほどに好調です。
ところで、現状で最大の苦境に立つのは飲食店ですが、ただし飲酒が中心ではなく、食事などが主体で、行政の要請に堅実に対応している店舗は、被害度が比較的低いようです。
自分が診断に伺っている喫茶店は、住宅街にあって、12坪ほどのこざっぱりとした店内で、年配のご夫婦による営業ですが、ほとんど影響はない状況です。
同店では、11時半~14時がランチタイム。日替わりメニューの献立は、経営者夫人の調理によるもの。地元産を取り入れた旬の野菜や魚など新鮮食材を使い、冷凍ものは一切使わず、すべて素材から調理して、昔ながらの家庭料理風の味付けが特色。そのため毎日ほぼ10食程度となっています。
こうした手製料理を、単に「ランチ」という、どこでも使われている名称で呼んでは、他店との差異性が感じられません。そこで、タイトルをランチではなく「お昼ごはん」として、手作りの味わいや旬の食材使用などをアピールすることを提案し、早速、その場でPOP広告を手描きして店内に掲示しました。
日替わりメニューは、魚や野菜の和食と肉料理を、順にバランスよく提供。そこで、経営者が店頭のブラックボードに、その日の献立を書いた際、魚料理か肉料理かを明示するために、魚と肉のシンボルマークのステッカーを作成してボードに貼り付け、訴求力を高めました。いわば、ビジュアルプレゼンテーションです。
週1の「カレーの日」にもシンボルマークを作成しました。
大手企業の場合よりも、こうしたごく小規模なお店や組織の手助けをする方が、反応(お店・お客とも)もすぐに表れて、昔から楽しい仕事だと感じています。
今回は、自分の業務の一端を書きましたが、皆さんも現場でいろいろと工夫されて、仕事に取り組んでいられることでしょう。
新型コロナウイルスの先行きは、まだまだ見通しが暗く、予断を許せない現状です。本当に活動しにくい環境です。しかし皆さん方には、この春からの一年を、安全に身を守り、仕事に日々の生活に、意欲的に健闘していただくことを心から願うばかりです。
以上